妊婦様

使いたくない言葉だが「妊婦様」というものに遭遇した。
妊婦様とは妊娠していることを盾に傍若無人な振る舞いをする人のことを指すミームのようなものらしい。

朝の通勤電車に乗っていたら目の前の席が空いたので座ったら、席の前に女性とその夫と思わしき外国人が寄ってきた。外国人の男は僕に「ケガ シテマス?」と質問をした。
「なんでそんなプライベートなことを初対面のあなたに話さなければならないのだ」と怪訝に思いつつも、「いえ」とだけ返事をすると、その外国人は「カノジョ、ニンシン」と言い放った。
要は席を譲れという話だったようで、妊婦ということを出されちゃ周りの目もあるし譲るしかないかと思ったものの、朝の通勤電車というストレスやその外国人の物言いが癇に障ったこともありいつもより低いトーンで「どうぞ」と言って席を譲った。

この時点で「なんでピンポイントで自分に声をかけたんだよ。終点まで乗るから座りたいのに」と少し苛ついていたのだが、席を譲られた女は「当然でしょう」みたいな顔をして着席し、カバンからおにぎりを取り出して食べ始めた。朝の通勤電車でだ。
男は男で女の髪を撫でたりキスをしたり、周りが一切目に入らない様子でまるで前戯のようなことをし始めて「オエッ」と思ってしまった。

よくある話なのかもしれないが、こうした夫婦を「気持ち悪い」「不快」だと思ってしまうのは自分がセクシャルマイノリティだからなのだろうか。
自分も女性と結婚して子どもを育てる可能性があるということだったら、「まぁお互い様ですよね」と微笑ましく受け取ることができる出来事だったのだろうか。

聖人ぶるつもりはないのではっきり書くが、女性性を感じさせるもの(女性そのもの、ではない)は、生理的な部分で自分にとっては嫌悪感のあるものだ(もちろん外では出さないが)。その中には妊娠や子どもといったキーワードも含まれると思う。
余談だがセクシャリティに基づく、もしくはそれから派生するものを「生理的に無理」と感じる気持ちはよくわかるので、自分は別に他人に「ゲイを気持ち悪いだなんて思うな」とは言わない。「本音と建前」だけしっかりわきまえてくれれば、別に腹の内でどう思っていようが構わないと思っている。

だって異性愛者の人だっていきなり同性からキスをされたり、股間を見せつけられたとしたら「うわっ!」と思うだろうし、不快だろう。それと同じレベルで自分も異性愛的、特に女性性を感じさせるものにいきなり遭遇したら「うわっ!」と思ってしまうのだ。
それは突然目に入ってきたグラビアアイドルの着エロ写真だったり、クラブで踊っているときに密着してくる女性だったり、今回のように「妊婦ということを盾に傍若無人な振る舞いをする人に巻き込まれる出来事」だったり、「『女だからいいでしょ』と女性性を盾に大変な仕事をサボる同期社員を見たとき」だったり、事故のようにいつ遭遇するかわからない。

とにかく、不愉快な出来事に巻き込まれたな、と感じた朝だった。

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# by innocentl | 2017-10-04 10:27 | 日常 | Trackback | Comments(0)

おゆうぎ

今から20年ちょっと前、まだ自分が幼稚園に通っていたころの話。
自分の通っていた幼稚園では「おゆうぎ会」(そういう名前だったかは定かではないが)という催し物があって、保護者を集めて発表会のようなことを行っていた。
もしかしたら運動会の中の「おゆうぎ」の時間だったのかもしれないが、ちょっと記憶が定かではない。

話を戻すが、自分たちはマライアキャリーの曲に合わせておゆうぎをさせられていた。
EmotionsだったかAll I Want For Christmas is Youだったかに合わせてダンスを踊っていた。

数年前たまたま通っていた幼稚園の前を通ったとき、園児たちがLADY GAGAのBorn this wayに合わせてダンスの練習をしていて、なんだか「この幼稚園の伝統なのかな」と思って少し面白かった。
今だったらアリアナグランデとかFifth Harmonyあたりに合わせてダンスするのだろうか?
今クラブミュージックやR&Bを好んで聴いたり、クラブに通ったりするのって、もしかしてこの頃の刷り込みみたいな記憶が原因だったりするのだろうか。

なぜにそんな尖った選曲をするのかさっぱりわからないが、おそらく昔から英語教育に力を入れているとアピールしていたからそれが原因の一つだろうか。
なかなかエッジの効いた伝統なのでぜひ絶やさずに続けていってほしい。

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# by innocentl | 2017-10-03 11:36 | 日常 | Trackback | Comments(0)

夢は叶ったか

自分は空想が好きで、よく夢を見ている子どもだった。
絵を描くのも好きだったので、自分でよく空想の世界の生き物を描いたり、漫画のようなものを描いていたこともあった。

小さかった頃の将来の夢ってなんだっただろうか。
「イラストレーター」「ドッグトレーナー」「建築家」「歌手」「シェフ」……他にもたくさん夢を見ていた気がする。
現実と空想の区別がついてないほど小さかった頃は「ポケモントレーナー」になりたかったっけ。
お菓子についてくるポケモンの指人形を使ってずっとポケモンの世界の空想をしていたな、と思い出した。時には妹も巻き込んでいたっけ。

高校生くらいになると英語が得意だったということもあり「翻訳家」になりたいなと思うようになったし、ブログを始めてから「物を書く仕事」に就きたいと思うようになった。
夢は叶ったのだろうか。

最初の就職では全く物書きの「も」の字もないような仕事を選んだ。
「現実的に生きていくためにはやりたいことを仕事になんかできない。給与が良くて、安定した会社に入るのが幸せな人生を送るために不可欠なことだ」と考えた結果だ。
それでも人には向き不向きというものがあり、自分には向いていない仕事であった。
それならばと物書きの仕事を目指してみたら、まぁなんとか食うには困らない程度には稼げるようになった(全く贅沢はできないし貯蓄もなかなか計画通りにできないが)。

実行に移した時点で夢は現実になる。
現実になると「夢」見ていた時点では知りえなかった苦労や壁を知ることになる。
苦労や壁を知ってしまうと、もはやそれは「夢」ではなくなる。

今、自分が抱えている「現実」は、高校生の頃の自分にとってはたしかに「夢」だったろう。
そういった意味では夢を叶えたのかもしれないが、夢は現実の延長線上にあるもので、想像していたような甘美で満たされたものではなかった。

それでも自分は夢を叶えたのだ。
夢が現実に根付いたのだ。
夢はふわふわとしたどこか遠くにあるものではなくて、現実と地続きだった。
そこに向かうまで苦しくて挫折してしまうこともあるだろうし、ようやく夢を自分の手の内に入れたときに想像していたような煌びやかさを持っていないかもしれない。
それでも、現実として捉えて手繰り寄せれば手に入るものも中にはある。

夢は叶う。
想像していたもののように奇麗なものではないかもしれないけれど、夢は叶う。

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# by innocentl | 2017-09-27 12:51 | 日常 | Trackback | Comments(0)

「ゲイだから」ではない

先日、ありがたいことにLGBTの目線でコラムを書いてほしいという仕事の依頼が来た。
LGBTの目線から昨今のLGBTにまつわる出来事の所感やら、単純に生活をしていて感じることなどを書いてほしいとのことだった。

自分ではセクシャリティはあくまで自分を構成するものの一部分であると捉えているので、正直「ゲイだからこそ」みたいな目線で何か社会に切り込んだ文章が書けるかどうかというのは不安もあるのだが、挑戦してみて初めて気づくことなどもあるかと思うのでお話を受けたいと思う。

最近よく感じることなのだが、LGBTフレンドリーと呼ばれる方々の中にもゲイに対する偏見というのを拭え切れていない人たちが多いなと感じる。
もちろん当事者ではないし、知らないのだから仕方のないことなのだとは思うけれど、ギャップとして感じているというだけの話だ。

そりゃあ「ゲイは気持ち悪い」という感情をダイレクトに持っている人や、「気持ち悪い」と直接的に表現することが自身のポリシーやポリコレに反するけれども文句をつけてやりたくて「そもそも生物学的に間違って……」「宗教的に……」と四の五の理由をつけて批判をしてくるホモフォビアな人々に比べれば、LGBTフレンドリーである方たちの存在は本当にありがたい。
知ろうとしてくれているというだけでもありがたい存在だ。

ただ、中にはポジティブな意味での偏見をぶつけられることもある。
このポジティブな意味での偏見というのはLGBT当事者としては疑問に思ってしまったり、不快に思う人がいるけれど、LGBT以外の人からすれば「褒めているつもり」の偏見だ。

簡単に言えば「ゲイだからおしゃれなの?」とか「ゲイだから女性の扱いがうまいんだね」といったような、「褒め言葉」に当たる。
統計学的な数字はわからないので実際にゲイにおしゃれだったり女性の扱いが上手い人が多いのかどうかはわからない。
ただ「ゲイだから○○なんでしょう?」という褒め言葉的な意見は、褒めているつもりだったとしてもその人を偏見に基づいてカテゴライズしているだけで、当人を見ていない言葉になってしまう。

僕も「ゲイの人って文章が上手いよね」と言われて、「それは僕が『ゲイだから』じゃなくて、『僕だから』なんだ」とムッとしてしまったことがある。
特別人を惹きつける文章を書いていると自惚れるつもりはない。しかし、僕にとって文章は学生時代から努力して国語や現代文の勉強にいそしみ、大学では言語学を専攻し、仕事でも毎回のように文章に赤入れ校正を受けて磨いてきた「努力の結果」と「技術」だと感じている。
努力してきて手に入れた「文章を書く力」を「ゲイだからお上手なんですね」の一言で片付けられたらたまったものじゃない。

これは異性愛者だってそうだろう。
「男性が好き」という女性が全員恋愛スペシャリストとして恋愛指南書を出版したり、「女性が好き」という男性が全員ホストとしてバンバン稼ぎまくるなんてありえない。
異性愛者の人だって「異性が好き」というのは人格を構成する一部分なだけで、特別意識するようなものではないと思う。
「異性が好きなんだから、異性をナンパのやり方教えてよ!」なんて言われたところで戸惑うだろうし、「異性が好きだから○○が上手なんですね」「異性が好きだから、あなたはなんだか人とは違うんですね」と言われても、「いやいや、それは異性が好きだからとか関係なく、私が私の人生を歩んできたからですよ」と反論したくなるだろう。

ただ最初にも書いたように、フレンドリーでいてくれるのはありがたい。
だからこそ、少しずつ身の回りからでもいいのでギャップというものを埋めていって、「同性愛者だからって別に大したことないよね」といい意味で思ってもらえるような社会が訪れたら、少しは生きやすくなるかなと感じた。

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# by innocentl | 2017-09-26 15:07 | 真面目な話 | Trackback | Comments(0)

ディズニーシー

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彼氏とディズニーシーへ行った。
数週間前に酔っぱらった勢いで「月末はディズニーでも行くか」と言っていたらしく、完全にノリだけで日帰りディズニーへ行くことになった。

お互い朝からガッツリ全力でテーマパークを楽しむという人間でもないため、15時から入園できるスターライトパスポートを使った。
酔った勢いの提案で決まった外出なので、彼氏はそもそもそこまで乗り気ではなかったようだが。

学生時代は平日や春休みなど人が少ない時期を選んで行っていたこともあり、パーク内はだいぶ混雑しているように見えた。
パーク真ん中に海がぽっかり空いている関係上、ディズニーランドと違って移動がほぼほぼ一本道になってしまうので余計に混雑するのだと思う。

船に乗ったりシンドバッドのアトラクションに乗ったり、回転率のいい小規模なアトラクションにいくつか乗って雰囲気を楽しんだ。
その後はラウンジでお酒を飲みながら休憩したりとだいぶのんびり過ごしていたが、タワーオブテラーには乗っておこうという話になり夕方くらいから並び始めた。
100分待ちということだったので「まぁそれくらいなら」と思い並び始めるも、システム調整の影響でエレベーターが2台停止しており結局3時間ほど待たされた。
アトラクションの説明を受ける段階まで進んでしまえばあっという間で、数分で終わってしまったのでメディテレーニアンハーバーへ戻ってから夕飯を食べて、入園時に取っておいたインディージョーンズのファストパスを使ってアトラクションを楽しみ、帰路についた。

今はハロウィンの期間のせいか、パーク内にはディズニーキャラクターに扮したゲストやコスプレイヤーが大勢いて、中でもジャックスパロウの仮装をしている人たちはキャストなのか単に仮装しているだけの人なのか見分けがつかなくて戸惑った。

歩き疲れたせいで彼氏は最後の方は無言になっていたけれど、久々に行くとやっぱり楽しい場所だなと感じた。
家族連れが多いので小さい頃のことをいろいろと思い出す。
あの頃はパークでもらえるマップを大事に引き出しにしまっていて、事あるごとに取り出しては眺め、空想の世界に浸っていた。
本当に小さかった頃はリトルマーメイドやアラジンの世界に自分が行ったら……という妄想をしていたが、ある程度成長しても「この時代のニューヨークに生まれていたとしたら」「探検家として生きるとしたら」といったテーマで空想をしていたと思う。

空想癖があるのは今でも変わりないが、それを制するように必要以上にリアリストでペシミストになるように自分に課してきた気がする。
いい大人だし現実的に生きているけれど、実際はありもしない空想を張り巡らして憧れることもある。
これって誰にでもあることなのだろうか。大人だと普通は空想しないものなのだろうか。
子どもだけじゃなくそこそこのいい年齢の大人たちが楽しそうにパークを闊歩しているのは、子どもの頃の記憶に思いを馳せているからなのか、現実として“遊園地”を楽しんでいるだけなのか、空想の世界と現実世界の境目が曖昧になって夢心地なのか。

大人も夢を見る生き物なのだろうか。
なんだかこの年齢にしてモラトリアムだ。

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# by innocentl | 2017-09-25 11:20 | 恋愛 | Trackback | Comments(0)