残り香

宇多田ヒカルの「残り香」を聴いていると、実家と縁を切って家を飛び出した日のことを思い出す。

「壊れるはずのない物でも 壊れることがあると知ったのは つい先程」
「証明されてない物でも 信じてみようと思ったのは 知らない街の小さな夜が終わる頃」
「飲みかけのワインも忘れ ほろ酔いのあなたと夢を見てた」
「残り香と 私の部屋で 温かいあなたの肩を探す」

多分、宇多田ヒカルはそういう意図で作詞したわけではないと思うけれど、情景が家を飛び出したあの日と被る。
身を寄せる形とはいえ彼氏と一緒に暮らすことに対する期待と不安、初日の夜にお酒を飲んですぐに寝てしまったあのとき。

なんだかいろいろ思い出す。

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# by innocentl | 2018-07-12 12:42 | 日常 | Trackback | Comments(0)

一緒に食事をしなければいい

「箸の持ち方が汚い人は嫌だ」「食の好みが合わない人は付き合えない」
付き合う相手の条件に、こうしたものをあげる人がいるけれど、自分としては一緒に食事をしなければそんなことも気にならないのにな、と思う。

付き合って一緒に暮らしていたら食事を共にしなければいけないという法律があるわけでもないし、食についてのことだけが気になるというのなら、別に一緒に食事をしなければいい。
「この人とは一緒に食事できない」と感じるなら、食事を含まないデートをすればいいし、一緒に暮らしても食卓は別にすればいいと思う。

突き放した言い方をしているわけではなく、相手に他のいいところがたくさんあるのだとしたらそちらに目を向けたほうが建設的だし健康的だと思う。
食事以外にもコミュニケーションを取る方法はいくらでもある。

うちも正直、食の好みが壊滅的に合わないので、基本的には食事は別々でとっている。
たまに一緒に食べようと思って自炊を試みても、「彼氏はこの食材が食べられないから……」と考えて結局カレーかパスタか丼物になってしまうことが多いけれど、それはそれでいいかなとも思う。

「どうしてもそこだけが生理的に受け付けない」というレベル以外の相手の気になる点は、気にしなければいけないシチュエーションに身を置かなければ案外そのままうまく過ごせたりもするものだと思う。

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# by innocentl | 2018-07-10 18:03 | 恋愛 | Trackback | Comments(0)

見た目を褒めること

「顔がいい人に『イケメンですね』と言ったところで、響かないどころか不快な思いをさせてしまうことがある。恋愛に発展しない」という会話を、先日誰かとした。

顔がいい人は見た目を褒められ慣れているから響かないのだとよく言うけれど、もう少し踏み込むと軽蔑のまなざしも込められているんじゃないだろうか。

見た目がいい人というのは、自分が見た目が良いということを自覚しているものだし、見た目を褒められたからと言ってそこに何の意外性もない=「言われ慣れている」ということになる。
自覚している部分について褒められるというのは、表面的な事しかあげつらってもらっていないということなので、例えば日本生まれ日本育ちの人が「日本語が上手ですね」「髪の毛が黒いですね」のように褒められる(?)のと似ていると思う。
「自覚しているし、表面に出ている」ことをいくら褒められたとしても、「この人、表面的な事しか褒めてないな」「踏み込んだ部分には一切触れようとしないのに、気に入られようとして媚びてるな」と思ってしまうのは当然じゃないだろうか。

あとは、これは見た目のいい人も悪い人も同じことが言えると思うけれど、見た目を褒める貶すに関わらず、その部分しか言及されないと「また見た目で判断されたな」と、ある種の不信感を募らせることに繋がるのだとも思う。
そして「初対面で見た目を褒めてくる相手」というのは、往々にして下心があることがほとんどであるし、見た目のいい人は普段からそうした経験をしているがゆえ、相手の下心には鼻が利くのだろう。

となると、一般的に顔がいいと言われている人と仲良くなりたいのだとしたら、あんまり見た目のことに触れずに内面だったり振る舞いだったりのいいところを見つけたり、趣味とか好みの共通点を見つけたりする方が無難だったりするのだろうか。
なんて、考えさせられた会話だった。

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# by innocentl | 2018-07-04 15:15 | 日常 | Trackback | Comments(0)

ブルーシール

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# by innocentl | 2018-06-28 16:24 | 日常 | Trackback | Comments(0)

東京だけが働きたい街か

最近、SNSで「東京で働くこと」を目的にして就職活動をしている地方のゲイの子たちをよく見かける。
自分は「東京だけが働きたい場所なんだろうか?」と感じていたのだが、それは首都圏出身であるからこその驕りなのだろうか?と、なんとなくモヤモヤしていた。
ついさっき、またそのことについて考えてみたら、モヤモヤの根源がなんとなく言語化できそうなので書いてみようと思う。

自分が、地方の子が新卒で東京での就職を目指すのをなんとなく心配してしまうのは、以下の点であると思う。

①セーフティネットが弱くなる
家族との関係が良好であるならば、という前提付きになってしまうが、やはり困ったときに家族というセーフティネットが機能してくれるのは助かると思う。
新卒で就職すると、就職活動中には気づけなかった会社の悪い側面が見えてくるものだし、もしかしたらブラックな環境で働かされてしまうかもしれない。
新卒ゆえに「この会社はおかしい」ということに気づけずに食い物にされ、精神を病んで職を失ってしまう危険もある。これは何も特別な話じゃなく、ごくありふれた話だ。例に漏れず、自分もそうだった。

実家の近く、もしくは実家にすぐに帰れる距離の都市で勤めているのなら、精神が回復するまで実家に身を寄せるということもしやすいし、最悪メンタルがヤバくて何も手につかない状況になっても衣食住くらいは確保してもらえるだろう。

東京にいるとなると引っ越しというハードルがあるし、「今仕事を辞めたら引っ越さないと……」「実家に迷惑が……」などと考えて転職や退職を思い留まっているうちに、メンタルが取り返しのつかないことになるというのもよくある話だ。
社会人が転職で東京に来るのと、学生が新卒で東京に出てくるのとは環境の変化の度合いが違うので、「自分がメンタルを壊すかもしれない」ことは自覚しておく方がいいし、それに伴う諸々のリスクも承知しておいた方がいい。

②「知り合い」は離れていく
田舎にはゲイも、ゲイが集まるような場所も少ないので、恋愛やセックスをするチャンスに恵まれにくい。そのため「ゲイとしての活動」が魅力だと地方の子が感じてしまうのも無理はないと思うし、自分自身が僻地の出身だったとしたら絶対東京に憧れていたと思う。
こればかりは理屈ではないのかもしれないけれども、ちょっと一拍置いて考えてほしい。

確かに東京には新宿二丁目を始めゲイが集まるスポットはたくさんあるし、そもそもゲイの人口自体が多いので、友人や恋人を作ったりして心を満たすことは容易だろう。
ただ、人口が多いということはそれだけ「代わり」も多いということだ。

先ほども「もしもメンタルを崩したら……」といった書き口で触れたけれども、メンタルを崩したり、何かの拍子にお金が無くなったりすると、それまでどんなに仲良くしていた仲間たちでもみんなあなたを簡単に見捨てる。
週末を楽しく過ごすだけの仲間なら掃いて捨てるほどいるので、別にあなたでなくても良いということだ。

東京でできた知り合いを地元の仲間たちと同じ感覚で考えていると、薄情に思えてショックを受けるだろうと思う。
もちろん人との付き合い方でちゃんとした「友人」もできるけれど、自分が窮地に立たされたときに全面的に味方になってくれる人なんて、100人いる知人の中で1人か2人いればいい方だ。
その人たちに感謝をして自分を奮い立たせて再起できるくらいの人ならいいけれど、そんなメンタリティーの人はそもそもメンタルを病まない。
自分の元を去っていった大勢の「知り合い」の顔が思い浮かんで、「あんなに仲良くしてたのに、見捨てやがって」と恨み言を言う確率の方が高いのだ。

一旦つまずいたというだけでだいぶ辛く思えるのに、都会ならではの人付き合いにもショックを受けると思う。

近くの都会でウォーミングアップしてからでもいいのでは?
自分もそうだったし、自分の周りにも「新卒で入った会社で精神を病む」という人は大勢いたので、勢いだけで東京に出てこようとしている大学生の子たちが心配になってしまう。
もちろん足踏みをしていては何も始まらないし、思い切った決断をして挑戦するのを選ぶことはいいことだと思う。「何があっても自分の人生には自分で責任を持つ」という強い意志を持って活動しているのであれば、自分からは何も言う資格はない。

ただ、上に書いたような内容を読んで、少しでも心に引っかかってくれた人がいれば、「まずはウォーミングアップをしてからの方がいいんじゃないか?」とアドバイスをしたい。
田舎に仕事がないのだというのなら、福岡でも仙台でも大阪でも、実家(や、窮地に立たされたときに身を寄せられる可能性の高い場所)まですぐ帰れる場所で数年経験を積んで、社会人としてのスキルがついてから東京に来てもいいんじゃないのかなぁと思う。
諸々の処世術や仕事のスキルが身についた状態なら、新卒のときよりは格段に強い状態なので、たいていのことには対処できると思う。
あと、自分みたいに家族が機能していない人間だったら、帰る場所もないし別に東京だろうとどこだろうと状況に変わりはないので、好きなタイミングで移ればいいとも思う。
あくまで「自分がそうだったから」という経験だけにしか基づいていない、老婆心の過ぎる世迷言のようなものだと思ってもらえれば。

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# by innocentl | 2018-06-27 14:09 | 真面目な話 | Trackback | Comments(0)