2017年 03月 06日 ( 1 )

LA LA LAND

※ネタバレあり

「ララランド」を観てきた。
さすがアカデミー賞総なめとだけあって、最高の映画だった。

個人的にはハッピーエンドだと思っていたけれど、観る人によって感想が全然違うのが面白い。
主人公の男女2人はお互い夢を追うために別れを選び、数年後に再会するという流れなのだけれども、この解釈が人によって分かれているようだ。

「好きなジャズだけを演奏する自分の店を持ちたい」セブと、「女優になりたい」ミアが偶然出会って恋に落ちる。
2人は互いを刺激し合って、セブはバンドのツアーで稼ぐようになり、ミアもオーディションを通過するなど夢に近づいていく。
セブは数年にわたるツアーに出かけねばならず、ミアも通過したオーディションの撮影をパリで行う関係上、2人の仲はこじれていき別れを選択する。
数年後、女優として成功したミアは別の男性と結婚し子どもも授かる。
偶然夫と立ち寄ったジャズクラブにはセブの名前を冠しており、ステージで演奏しているセブの姿を見つめるミア。
互いに目配せして微笑み、そこで映画は終わる。

互いに夢を叶えたのだからハッピーエンドだと思う。
何かを手に入れるには何かを代償にしなければならないのは当然のことで、セブとミアは「愛」を「夢」と両立できなかったから別れを選んだだけの話だ。
しかし2人が「女優になる」「自分の店を持つ」夢を叶えるためには互いの存在が不可欠であり、今後2人が仕事でキャリアを積んでいくにつれて夢を叶えることができたのは過去の恋人のおかげだと感謝し続けるのだろうと思う。
最高じゃないか、と思う。

別れを選択したけれども、一生涯思い続ける相手が2人にはいる。
仕事で成功していくたびに互いのことを思い出すことができる。
最高のハッピーエンドだと思う。

もし自分がこの映画を10代の頃に観ていたとしたら、2人の選択を「悲恋」だと捉えていただろうし、ラストシーンは大変にショッキングなものに映っていたと思う。
大人になると色々なことを諦めなければ新しいものを掴めないということがわかってくるし、自分の限界というものも見えてくる。
全能感に溢れていた10代の頃だったら「夢も叶えて、2人も結ばれて」という結末が当然だと思っていただろうけれど、自身が成長したからかラストシーンはすんなり受け入れることができた。
むしろ当然の結末だとも思う。

「セブはミアのことをずっと思い続けていたのに、他の男と結婚してミアはなんて薄情なんだ」という意見も見かけた。
でもセブだって恋人の1人や2人できていたのではないかと思う。
少なくとも映画内では描写されていないので憶測になってしまうけれど、互いに夢を叶えるのと同時に現実を見る、地に足ついた大人になったのではないだろうかと思う。
ラストシーンの走馬燈はセブがずっとミアのことを思い続けていた気持ちを表現したのではなく、たまたま再会した昔の恋人の姿を見て思い出を反芻(そしてもしあのとき別れていなかったら、というもう一つの可能性に思いを馳せた)しただけなのでは、と思った。

「ハッピーエンドだ」という人もいれば、「切なくて抉られる」という人もいる。
その人がどういう人生を送ってきたか、夢を叶えたのか破れたのか、どんな恋愛経験をしてきたかで解釈の変わる映画だと思った。

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by innocentl | 2017-03-06 19:28 | 日常 | Trackback | Comments(0)