忘れる

クラブやちょっとしたイベントでふいに連絡先を聞かれたりすると、「この出会いはきっと何か意味があるのでは」と、安っぽい言葉を使えば「運命」を感じるような衝撃を受けて、まるで映画やドラマの主人公にでもなったんじゃないかと舞い上がってしまうことがある。
たいていそういうイベントが行われている場は大音量で音楽が長り響いているのに、相手の言葉だけやけにクリアに聞こえて、視界も相手の顔だけにフォーカスが合って他のものはすべてぼやけてしまう。

ただ、一晩眠れば全て忘れる。
顔も声も名前もときめいた気持ちも、全部思い出せなくなっている
別にこれも一度や二度のことではないので、「ああまた忘れちゃったなぁ」と思いながら手元に残った連絡先のデータを消去する。
これは相手も同じ気持ちなのだろう。その場の雰囲気に酔っただけの二人がインスタントなロマンスを消費しただけの話だ。

ゴミを出しながら仕事に向かい、帰りにトイレットペーパーとボックスティッシュ、豚肉と卵と味噌を買ってこなければなどと思いながらいつもの時間の電車を目指す。

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by innocentl | 2016-08-29 12:03 | 日常 | Trackback | Comments(0)
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