ともだちづくり

積極的にゲイの友人作りをしなくなってどれほど経っただろうか。
今ではSNSで常に情報交換できるし、気づけば知り合いからリプライやメッセージが届くし、「よくよく考えたら最後に友人と遊びらしい遊びに出かけたのって結構前だよな」というような状況でもさほど寂しさを感じなくなった。

ともだちづくりは難しい。
飲み屋やイベント遊びなどの夜遊びをすれば友人もできやすいよ、というアドバイスは割と真理なのだとは思うけれども、自分みたく「飲み屋はそんなに行かないし、夜遊びっていったら『クラブ遊び』みたいな」といった層はそんなにコミュニティを広げられない気がする。
まあ夜、クラブといったシチュエーションで一緒に盛り上がるだけの知り合いや顔見知りが増えたところで「じゃあ今度みんなで映画か食事でも行きましょうか」という話には繋がりづらい。
暗く、爆音が流れて、みんな酒(か、それ以外の何か)でラリっているからこそ生まれる連帯感なだけで、狭いフロアでぎゃあぎゃあ笑いあっている連れに「昼間はどんな仕事をしているのだろうか」「この人は夜遊び以外にどんな人たちとどんなことをして遊んだりしているのだろうか」などと変に深読みすること自体が野暮なのだろう。
要は「連れ」ができるだけで、友達はできづらいと思う。
元々の友達とクラブに行くのと、クラブで知り合ってつるむようになるとでは雲泥の差だ。
クラブで知り合った人とはいいとこセフレ止まりだろうし、クラブ経由で昼間も遊べるようになった人たちというのはレズビアンの子しかいない。
ゲイ同士のクラブでの出会いなど、服を着た発展場のようなものなのかもしれない。

高校生の頃はそれこそLGBT支援NPO主催の「ともだちづくりイベント」などにも参加してみたが、どうも温度差が違うというか品行方正過ぎるというか、なんだかなぁといった感じであった。
この手のイベントは要は婚活パーティの友達版みたいなもので、会場に行くとプロフィールカードを書かされ胸に着け、自己紹介タイムや軽食タイム、ゲームタイムなどを通じて親睦を深め、仲良くなれそうだと感じた相手と連絡先を交換してその後の関係につなげる、といったものだ。
悪くはないのだけれども、連絡先を好感した参加者から「この間の『ともだちづくりイベント』のあと、成人してたメンバーでゲイバーに飲みに行ったんだけど、酔っぱらってキスとかしてたんだよ。俺、そういうの許せない。ゲイってそういうところが嫌だ」といった内容のメールが送られてきたことがあり辟易した。
彼一人だけの話ではなく、この手のイベントに参加する人は潔癖で、「ゲイのゲイ嫌い」が多いのだ。
ある程度夜遊びとか、軽い関係とか、軽いセックスとか、そういう「そこそこ健全なゲイ」が良しとしないまでも経験はしているといったような行為全てを批判し、「俺はそういう人間じゃない。ゲイがみんなこんな風だと思われたら困る」という主張をするのだ。

かといってゲイ専用の出会いアプリはセックスや恋愛が前面に出すぎているので、友人作りにはやはり向かない気がする。
お見合いみたいなものだから、全く知らない人とセックスや恋愛ごっこ(後に本物の恋愛になるなら尚良し)をするには最適なツールだと思うけれど、一対一じゃ友人作りの土台としては貧弱だし、時間がかかりすぎる。

ある種健全なゲイと健全な出会いをするには、やはりどこか行きつけのバーを作るやら、趣味を通じたサークル活動を始めるやらが一番手っ取り早いのかもしれない。
時点でツイッターなどのSNSでじわじわとネットで仲良くなってからリアルでも遊ぶ人間を作るとか。
ネットで誰とでも繋がれる時代というのは、結局誰ともつながれないのと同じで、人と人との繋がりというのはやはり現実世界で「ある特定の目的を達成するために集まった集団の中で出会う」ことが一番確実で、強固なものなのかもしれない。
バーなら「飲む、誰かと話す」という目的を持つものが集まるし、サークルなら「活動する」ことを目的とした集団が集まるし。


あと、中途半端にモテる人は一番友達を作りにくいというのも真理だと思う。
容姿が上位層だったら上位層だけでつるめばいいし、容姿を武器にできないならそもそも性愛が発生する前段階で人との関わりを増やせるし、中途半端が一番苦だ。
なまじ容姿がそこそこのせいで、友人のつもりで接していた者から好意を抱かれ、「そんなつもりじゃなかった」と伝えれば人が離れていく。
かといって思いっきり高飛車になれるほどの上位層の容姿ではないので、お高く留まって似たようなレベルの者同士でコミュニティを完結させられるほどの力量もなく。
「そこそこ」の者同士は「そこそこ」ゆえに互いの抱える膨大な量の人間関係が複雑で、なかなかすっきりと友人関係に収まれない。

というのも、考えすぎだとは思うけれども。

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by innocentl | 2016-03-07 16:32 | 日常 | Trackback | Comments(0)
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