蛇の美しさ

今、蛇と暮らしている。
カリフォルニアレッドスポットガータースネークという種類の蛇だ。
体長は60センチほどで、黒地の鱗に側面には赤の斑点、背中には蛍光グリーンの一本線が尾まで伸びているという、なかなか毒々しい配色をしている。

ワニのような縦長の瞳孔の目ではなく、まるい黒目がポチッと存在するだけなので非常に愛らしい顔をしている。
基本的にガータースネークはおとなしく、攻撃的でない性格をしているので飼育も楽らしいが、家にいる子は少々臆病である。
触ろうとすると抵抗して暴れまわるが、いったん手のひらに乗せてしまうと堪忍したかのようにおとなしくなる。
おそらく変温動物ゆえに人の体温が心地よいのだろう。
蛇は想像していたよりも動きが速く、ぴょんぴょんと飛び跳ねるように移動をすることもある。
興奮した蛇を部屋で逃がしてしまったら絶対に追いきれないだろう。
アニメなどではのっそりとにょろにょろ動くイメージがあっただけに、シャーシャーと滑るように移動する蛇を見て最初は驚いた。
カブトムシかと思っていたらゴキブリだったかのような、移動速度に関してはそれくらいのギャップを感じた。

エサは週に2度ほど冷凍マウスをあげている。
我が家の冷凍庫にはジップロックのようなプラスチック容器に入ったネズミが20匹ほどいるが、毛の生える前のピンクマウスなので見た目は手羽先か何かの肉を冷凍保存しているかのようで、見た目に不快感はない。
そもそもネズミ自体もハムスターとほぼほぼ同じものであるので、触ったりエサやりをすることにも抵抗がない。
爬虫類のエサ用にきちんと殺菌された状態で梱包されているものなので、冷凍庫で保管していることにも何ら抵抗ない。
本当に「ちょっと余った肉を冷凍保存しているだけ」のような感覚だ。

エサを目の前にちらつかせると、小さな体をバネのように伸縮させて、その小ささからは想像できないほどの力でネズミに噛み付き引き込む。
長い体でネズミを締め付けるように丸くなり、しばらくすると口を大きく開いて頭からネズミにかぶりつき、ゆっくりと飲み込んでいく。
ゆっくりと、と言ってもけっこうなスピードだ。
もっと時間をかけて消化をしていくものなのかと勝手に思っていたが、30秒もあればエサを飲み込んだばかりなのだとは信じられないくらいの「いつも通り」の姿に戻っている。
最終的にネズミのしっぽだけが蛇の口からちょろっと出ている姿を見ると、なんだか食後につまようじで歯の掃除をしている人間を彷彿とさせ、システマチックな動きでネズミの死骸を絞め殺す仕草をし、その後それを丸呑みしたばかりだという残酷さや生命力のような神秘的なものから、どこかコミカルな人間臭さを感じさせて笑ってしまう。
エサを飲み込むためには口を大きく開けなければならないため、蛇は最初に顎を外すという。
食後に蛇は口をパクパク動かし、外した顎をもとに戻すための微調整をする。
その姿も「あー、お腹いっぱい」とでも言っているかのようで、非常に愛らしい。

犬猫はかわいい上に社会性を兼ね備えた動物なので、家族の一員として迎え入れて共に生活をしていくのが楽しい。
蛇は必要以上に干渉せず、外から彼らの生命力を感じたり、ガラスケースの中を動き回っている姿を見て色々と想像するのが面白い。
犬猫に比べて原始的な生物であるため、一見無意味であるように感じられる行動のすべてが「生」に直結している感じが好きだ。

水を飲んだりエサを食べたり、ケース内の流木に絡まっていたり、シェルターの中で眠っていたり、全ての行動に生命力を感じる。
蛇のように直感的に生を求め生きてみたいものだな、と思う。

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by innocentl | 2016-02-23 18:46 | 日常 | Trackback | Comments(0)
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