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24歳


誕生日を迎えて24歳になった。
彼氏の家に泊まりに行くことになっていたが、誕生日の前日は朝から仕事で夕方からはダブルワークのアルバイトだったため、結局22時近くになってから彼氏の家へと向かい始めた。

駅で待っている彼氏を見つけて近づくと、彼はビジネスカジュアルな服装の自分を見て「あれ、一回家に帰らなかったんだ」と言った。
傘を忘れてしまった自分のために、2本傘を持って待っていてくれた。

家に着くと「食事の用意をするから待っていて」と言われ、シャワーを浴びてスウェット姿に着替え、テレビでフランスの同時多発テロのニュースをずっと見ていた。
フランスのテロも「同時多発テロ」と呼ばれるのか、それじゃあ単に同時多発テロと言った場合911のテロと区別がつかないなだの、これがきっかけで戦争が起こったりしないだろうかなど、ぼやぼやと色々なことを考えていた。

ぼーっとしているうちに時間は過ぎ、彼氏がキッチンから出てきてテーブルに食事を並べ始めた。
きのことベーコンのアヒージョ、クラッカーにチーズや生ハムの乗せられたフィンガーフード、から揚げ、サラダなどだった。
一人暮らしをしている時に自炊はしていたとはいえ、僕は「自分が食べられればそれでいい」というスタンスだったので、こういう「そんなに手間はかかっていないがこじゃれて見える料理」が作れない。
本当に手間がかかってなくて見た目も悪いが、そこそこ食える程度のものなら得意なのに。

二人でビールを何缶も開け、テレビを見ながら料理を平らげた。
食事が終わると秋のフルーツがたくさん乗ったタルトまで用意してくれていて、僕は嬉しくて何枚も写真を撮ってしまった。
タルト生地は腹にたまるので、半分だけ食べて残りは明日の朝ごはんにしようということになった。

「23歳の時の思い出」なんかを二人で話していたりして、彼は僕が酔っぱらって路上で寝てしまったときに、LINEの履歴からそれを察して駆けつけてくれた時のことを話して軽く詰った。
僕はそれを「昔のことはいいじゃない。23歳の時の話だよ」と言ってかわし、彼は「10分前まで23歳だったくせに」と、笑いながら僕を責めた。

お腹がいっぱいになってベッドに寝っ転がって伸びをしていると、手のひらに冷たいものを握らされた感覚があった。
目をやるとそれはFOSSILの時計の缶だった。
開けてみるとブラウンのレザーベルトに白のシンプルな盤面が大人っぽい、だけれどもFOSSIL独特のゴツゴツした質感はしっかりと感じられる時計が入っていた。
「ありがとう。大事にする」と言いながら、僕はさっそく家にある服を思い出して、この時計に一番合うシャツはどれだろうかなどと空想を繰り広げていた。

そんなわけで、24歳になった。
穏やかにこの一年を過ごしていきたい。

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by innocentl | 2015-11-22 13:32 | 日常 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2015-11-23 12:06 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by シュウ at 2015-11-23 13:41 x
大切な人と過ごすことのできる誕生日って、
とても幸せですよね。

昔の思い出に花を咲かせ、
その中で内側からじわっとくる幸せの感覚を掴むことができる。
それって、とっても素敵なことなんだろうなって俺は思います。


24歳の誕生日おめでとうございます!
穏やかに過ごしていきましょう(*´ω`*)
Commented by innocentl at 2015-12-02 22:05
さとやさん
嫌なんかではないですよ。
ありがとうございます。少しでも成長できる一年でありますように…。
Commented by innocentl at 2015-12-02 22:05
シュウさん
ありがとうございます。
一年穏やかに、着実に成長できるものであればいいなぁと思います。


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