ヘアカラー


「アッシュグレーをメッシュで入れたいんですけど」と言うと、担当の美容師は少し困ったように笑った。
「アッシュグレーを入れるには、一度ブリーチをしてプラチナまで明るくしないと綺麗に入らないんですよ。だから初めてのヘアカラーでグレーはちょっと難しいかな」

5年通っているヘアサロンで、初めてのカラーの申し出をしたとき、僕を知る美容師や受付スタッフが少しざわついた。
5年間カラーは入れず、お堅い職業についたために面白みのある髪型にもしない僕が、色を入れたいと言い出したからだ。
しかも、アッシュグレーをメッシュで、とかいう頭の悪そうな色味を希望して。

「それに、毎回ベリーショートにするじゃん?そうするとメッシュの束感が目立たないから、ブロックで入れた方が短髪の人はかっこいいと思うよ。色もクリーム色とかどうかな?初めてだからそんなにはっきりは入らないと思うけど」

初めて来たときからずっと担当してくれている美容師は、そう代替案を出した。

「じゃあ、それで」

彼に切ってもらうようになってから、友人に髪型を褒められることが増えたので、彼の提案なら間違いないだろうということでヘアカラーのチョイスもすべてお任せした。

生まれて初めてのカラーリングでは、14トーンというヘアカラーでできる限界までの明るさの色を、額の左側から右の襟足にかけて一本のラインを描くように入れてもらった。
左の襟足にも同じ色を少しだけ入れて、アシンメトリーなデザインにしてもらった。
仕上がった髪色を見ると、初めてにしては色の入りがよく、しっかりとオレンジがかったアッシュブラウンのラインが入っていた。

シャンプーを担当してくれた若い男の子には、「綺麗に入ってますよ、髪色エグいですね」と、彼なりの語彙で賞賛された。

友人には「プロレスラーとかボクサーみたいな髪だ」と言われ、妹からは「深夜のドンキホーテにいそう」と言われ、親からは「好きにすればいいけど、遅れてきた反抗期か何かなのかしら」と言われ、彼氏からは「最近見た目がどんどん厳つくなってるのって、やっぱり俺のせいかな…」と言われた。

染めてから思ったのは、やっぱり自分は黒髪の方が好きだ、ということだった。
ただ、やってみなければわからない。
やってみて嫌だったら二度としなければいいだけだ。
経験もしていないのにイメージだけで批判をしたり、ストップをかけるのはもったいないと思う。

おそらく次のカットの時に黒染めで戻すと思うが、しばらくはこのプロレスラーみたいな髪型で過ごしてみよう。
しかし髪を染めると、服選びも面倒になるな。

人気ブログランキングへ
↑ランキング参加中。

[PR]
by innocentl | 2015-08-02 17:50 | 日常 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://innocentl.exblog.jp/tb/24502615
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 風穴を開ける カイピリーニャ >>