好きだったけど

何度もブログにも書いている、昔好きだった人と偶然街であった。
数年前のアゲハで知り合い、恋人ごっこをしていた彼だ。

新宿を歩いていたら本当にばったりと出くわしたので、なんだか不思議な縁もあるものだなぁと瞬間的に思った。
というか、東京が狭すぎるだけなのか。

「うわ、久しぶり」と、彼は言った。
「うわー、最悪だー。大凶だ。会いたくない人に会っちゃったよ」と、僕は笑いながら言った。

もう失恋じみた出来事も2年も前の話なので、すっかり傷も癒えているし、今付き合っている人もいるので、軽口を叩く余裕もあった。
このばったり出くわすというタイミングがあと1年早かったら、癒えつつあった心の傷にフォークを突き立てるような、衝撃的なものになっていただろう。

「出会い頭に『会いたくない人に会っちゃった』とか、生まれて初めて言われたよ」と、若干酔っぱらっている様子で彼が言った。
それを無視して、僕は「元気そうだね、よかった」と話をつづけた。

「仕事はどう?順調?」と彼が問い、
「つらいけど、まだ生きてるから平気」と答える。

「え、どうしたの」と言い、彼は表情を一瞬曇らせたが、最初に軽口を叩いたのもあって、おそらく冗談だと受け取られているだろうと思った。
「まあ、平気平気」と、間髪入れずに僕は言い、「友達待たせてるからじゃあね」と言ってその場を去った。


その後、友人と夕食をとっていると、彼からメールが入っていた。
「今夜、友達との食事がすんだら、うちに来ない?」といった内容だった。

やっぱり最高にかっこいいけれど、最低な人だ。
でも不思議と落胆や憎悪の気持ちは抱かず、なぜか清々しさすら感じてそのメールを読むことができた。

「行かない。おやすみ」と、返信した。

なぜか晴れ晴れとした、清々しい気持ちだった。
昔より少しは強くなったのだろうか。

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by innocentl | 2015-07-18 21:32 | 日常 | Trackback | Comments(0)
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