良い子でいた

タバコを吸わせてくれとせがみ、嫌がる彼氏を差し置いて、わかばに火をつけた。
当然のごとく咳き込む僕を見て、彼氏は困ったような苦笑顔で「だからやめなって言ったじゃん。こんなの吸えなくてもいいんだよ」と嗜めた。

思えば昔から良い子でい続けようと自分に課してきた気がする。
良い子でいなければいけない、良い子でいなければ皆が悲しむ、良い子でいなければ好かれない。

家は自営業だったため、収入が不安定だった。
そのため母からは「勤め人になりなさい」とずっと言われて育ってきた。
「そうか、会社員になるのが一番良いことなのか」と幼心に思い、生きてきた。
中学に入ってから、勉強がそんなに苦手ではないということに気付いたため、「良い高校に入って、良い大学に入らなきゃ」「良い大学に入って、良い会社に入らなくては」と、自分自身を偏った価値観に縛り付けて行動してきたかもしれない。

良い子でいれば褒めてもらえたし、良い子でいれば結果もついてくるので、良い子でいること自体に不満はなかった。
ただ、よくよく考えてみれば、自分の内なる声を無視し続けて行動してきてしまったのかな、とも思う。
何がしたかったのか、何をやれなかったから悔やんだのか、いちいち考えずに、「良い子路線」をレールに沿って進み続けた。

いきなりレールが取り外されて、前後不覚になってしまっている。
不安感に襲われ、彼氏と同じカテゴリの人間になればなんとか依存先も見つかるかな、と思ってタバコに火をつけるも、煙を吸うと同時にむせ込んでしまい、結局僕は良い子のままでいるしかないのだということを思い知らされる。

タトゥースタジオに連絡をしたのだって、結局は良い子路線から外れてアウトローになれば何か自分のアイデンティティを見つけられるのかも、といった糞みたいな理由だ。
そんなことをしたところで後悔しか残らないというのは、当然頭では理解している。

「大人しくて良い子だね」
「勉強頑張ってて良い子だね」
「○○大学に通ってるの?すごいね」

良い子でいることに何の意味があったというのだろう。
僕はこの23年間、何をしてきたのだろう。
何を残せたのだろう。

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by innocentl | 2015-07-12 23:33 | 日常 | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2015-07-13 00:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by innocentl at 2015-07-16 21:33
大さん

ありがとうございます。
割り切りも大切かもしれませんね。


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