香りだけ纏って

前にプレゼントって、相手のことを思って選んでる時間とかも付加価値としてついてくるからこそ嬉しいって書きましたよね。
ただ、相手が自分を喜ばせようと思って空回りしてしまっているときの対処って意外と難しい。

というのも、前に付き合っていた人はセンスがあまり良くない人で、プレゼント貰っても嬉しくなかったというのがありまして。
もちろん貰って嬉しいものもいくつかあったけど、大多数はがっかりしてしまうもので。


ねだったわけではないが、「春から大学生になるかもしれないし、学校につけていけるような腕時計が欲しい」とポロッと言ったことがあった。
すると彼は誕生日に「これ、プレゼント」と言って腕時計をくれた。
覚えていてくれたことに感動し、わくわくしながら開けてみると、陸上部が使うようなスポーツウォッチが入っていた。

G-SHOCKのようなファッション的な意味のスポーティではなく、ガチのランニングウォッチ。
デジタル画面がそもそも好きではないし、ランニングウォッチなんか普段の服装に合わせられないし。
その場ではお礼を言ったけど、結局一度も使わぬまま今もクローゼットの肥やしになっている。

これは自分のエゴだと思うんだけど、普段の服装や「大学生がつけるような時計が欲しい」である程度察してもらいたかったのが本音。

結局自分でアニエスベーの時計を中古で買った。
もともと高くない時計の、しかも中古とはいえ、まだバイトもしていない高校生には痛い出費だった。


それと同じで、何かの記念日の前に財布をくれると言ってくれたこともあった。
そのころには相手のセンスのなさに薄々感づいていたのもあり、「財布をあげると宣言されちゃってるけど大丈夫かな…」と、不安を覚えていたわけだけれども、プレゼントされたのは案の定好みのものではなかった。
ナイロン製でマジックテープ式の、蛍光オレンジの財布だった。
そのころちょうどネットでは「彼氏の財布がマジックテープ式だった」云々で話題になっていたこともあり、本気で悲しかった。

結局、自分で高くはないけれど、それなりのちゃんとした皮財布を買った。


自分で買った財布や時計は今でも使っている。
高いものが欲しかったとか、ブランドじゃなきゃ嫌だとか、そういうわけではない。
傷つきで格安だった時計を今も使っているし、財布だって別に有名ブランドのものでもない。

ただ、これから成長して社会に出ていく身に、そんな子供騙しなものを渡されても仕方がない。
最終的には自分で買いなおす二度手間になるわけだから、最初から無難なものだったり消費できるものをくれれば、あまり気にならなかったのにな。


自分が相手にあげたプレゼントは、靴だったり鞄だったり、一生懸命考えて選んだものだった。
「好みじゃない」と言われたこともあったけど、リクエストをきちんと聞いて、条件に合うものを必死で探してプレゼントした。

それなのにこの仕打ち。
見返りを求めず、相手のセンスのなさを受け入れるだけの器量が自分になかったというのも問題だけれども、あまりにも大切にされてない気がして辛かったな。

結局自分のことは見ててくれなかったのだろうか。
自分が普段何を着て、何が好みなのか、一切関心がなかったのだろうか。

自信がないなら買い物に付き合ってくれるだけでよかったのに。


些細なことの積み重ねが別れにつながる。
彼からプレゼントされた香水の瓶を見て、ふと昔を思い出した。

香水だけは好みだった。
今でもつけてるし、なくなったら同じものを買おうと思う。
でも時計や鞄や財布は、申し訳ないけど捨てさせてもらった。


彼がくれたのは自分に似合う香りだけ。
彼との思い出は香りだけ纏って、次のステップへ進もう。
[PR]
by innocentl | 2013-03-23 16:08 | 日常 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://innocentl.exblog.jp/tb/19711369
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 昔の夢を見た Let go >>